【抜型屋の機械】レーザー加工機
レーザー加工機とは
弊社では、というより、トムソン型を製作しているメーカーには欠かせない加工機です。
レーザーと聞くとSF映画の武器を思い浮かべるかたも多いのですが、まさしくその通り、刃を埋め込むための溝をレーザー光で焼き切っています。
このレーザー加工機が抜き型業界に導入されたのは1970年代。弊社の先々代野口勉が、開発されたばかりの2軸CO2レーザー加工機を、たくさんの方々のご協力と努力を重ね導入した経緯があったそうです。それまではベニヤに鉛筆で製図した線を糸鋸ミシンで切っていたということですから、想像するだけでも大変な生産性の向上です。
およそ半世紀が経ち、機械の性能も向上、抜型の精度も生産性も昔では考えられないほど進化しているといわれています。
レーザー加工機を見てみよう
弊社で導入しているレーザー加工機は、抜型システム関連製品の総合メーカーレザック社の製品です。
タッチ式の操作パネルです。
ボタンがたくさんついていて、カッコよくないですか?!
中央部分の太いペン先のようなパーツから、レーザー光線が出力されます。
ベニヤなどの材料を燃やさず、きれいにレーザー光で焼き切れるように、下部の剣山のような部品で材料を支えます。
CO2レーザーは各種のガスが必要です
実際にカットしている様子を、動画でご覧ください。
どうやって動かしているの?
NCプログラムと言われる工作機械を動かすためのプログラム言語で制御されます。
弊社ではCAD図面から自動でNCプログラムが書き出されますので、パソコンの画面で見たままの形状に、機械がカットしてくれます。
どんなものがカットできるの
主にトムソン型の刃を埋め込むミゾを作るためにベニヤをカットしますが、鉄板、アクリルなどの樹脂板をカットして、冶具や飛沫防止パーテーションなどの製品を作ったりと、様々な素材をどんな形にもカットすることができます。
加工できるサイズは2メートル×1.3メートル以内、カット出来る厚みは、ベニヤなど木材なら25mmくらいまで、鉄板は3mm、アクリルなどの樹脂板は10mmくらいまでカットできます。
平盤のプレス機でピナクルダイを使用するために、MDFとPET板でベースを作ったり、
モービルダイ(NC彫刻刃型)用のステンレス材を切り出したり、
2メートル近い大きさの看板の部品を切り出したり、
高精度を求められる抜き型を作る用途に開発された機械ですから、かなり精密にカットできます。ただし、精度を出してカットするためには、気温や湿度、ベニヤの状態に合わせて、レーザー光線の出力やヘッドが動くスピードを調整し、ベストな状態にしています。オペレーターの技術あっての精密加工です。
個人的には端材で家の表札や、ままごとキッチンを作ったりと、DIY用途でレーザー加工しています。
まとめると
- トムソン型製作には必須の工作機
- パソコンで製図した形にカット出来るので、どんなアイデアでも加工可能
- DIY用途でも利用できる
- 加工できる素材はベニヤや鉄、アクリルなどの樹脂板、その他にも様々な素材がカットできる
- 1メートル以上の大きなものでも精密にカットできる
トムソン型(ビク型)製作になくてはならない加工機を紹介いたしましたが、個人的にはイラストレーターでデザインした表札のアイデアが、カタチに出来たことのほうに感動を覚えた記憶があります。800mm×1000mmのビックサイズで作ったムスメのままごとキッチンは、子ども成長と共に家が手狭になってしまい、通っていた幼稚園にもらわれて行ったのですが、大工仕事が苦手な私でもちゃんとしたものが作れて、達成感がありました。
弊社の加工機は高出力のため、紙や布、皮革やゴム素材などは、焦げたり燃えてしまうことが多いので加工できませんが、アイデアひとつで今まで加工が難しかったものも作れる可能性がありますので、作りたいものがございましたら、遠慮なくお電話、メールフォームからお問い合わせ下さい。
投稿者プロフィール
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千住抜型製作所のWeb担・中の人です。
他にも抜型の設計、トムソン型製造、3DCAD/CAMオペレーター、営業などなど、様々な業務を兼任しています!どんな些細ことも、いつでもご相談ください!
[記事の著作権は執筆担当者名に帰属します]
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