ピナクルダイとは
ピナクルダイってなんだろう?
以前のスタッフブログで紹介したトムソン型(ビク型)と同じく”製品を量産するため”の抜き型ですが、より”高精度に加工するため”に使われる抜き型です。
少々専門的な説明をすると、シール業界では以前から使われているエッチング刃(腐食刃)という刃型がありますが、刃の先端に丸みがあって少々抜き加工しづらい、素材によっては抜けないということがありました。ピナクルダイではその弱点を、CNCシャープニング加工という技術でより鋭角な刃先に作り変え、さまざまな素材の抜き加工に対応することができました。
この技術革新があって、本当にさまざまな素材を抜き加工出来るようになりました。ほとんどの部分が機械加工になりますので、トムソン型では製作することのできない細かく複雑な形状も抜き型にすることができます。
また精度が良いので、トムソン型で製作できる形状でも製品の精度要求をクリアするために使用されることもしばしばです。
精度はどのくらい?
ピナクルダイの寸法公差は±0.02です。1ミリの百分の二。100ミリ×100ミリの正方形のピナクルダイを作ってタテヨコを測定すると、99.98ミリから100.02ミリの間で刃型が出来ています。日本人の髪の毛の太さの平均が0.07mm程ですので、恐ろしいほどの精度です!
形や大きさに制限はあるの?
製作できる最大サイズは610mm×460mm、刃と刃の最小の隙間は0.5mm、全高3.0mmまでのピナクルダイが作れます。
実際のプレス抜き加工時に制限がありますが、平たく説明すると、シャープペンで文字を書いたそのままの抜き型を作ることができます!1ミリの半分の0.5ミリ幅で長さ610mmのシールの抜型が作れてしまいます。
もっとも刃高が高いタイプのピナクルダイは3.0tです。
素材の硬さにもよりますが、2.0mm程の材料厚にも対応できます。
トムソン型で使用している平盤のプレス機で使用出来るように、ベースもご用意いたします。ガイドピンも設置可能ですので、フレキシブル基板の小ロット生産や試作品にご活用いただけます。
クラフトワークにも
プレス機へのセッティングも簡単なので、すぐに量産に取りかかれます。
弊社設備のエアプレス機にセットして…
プレス抜き加工します。
あっという間に加工完了です。
こういった中穴の形状は、カッターナイフで切って表現することは難しく、トムソン型(ビク型)でも作れません。
切り口もきれいにスパっと切るためには、ピナクルダイが欠かせません。
まとめると
- トムソン型(ビク型)と同じように、同じ形を、早く、たくさん作るための道具
- 機械加工で製造され、高精度(寸法公差±0.02)
- トムソン型では製造できない形状の刃型も作ることができる
様々な刃型のなかでも、特に扱いやすい抜き型になっています。かなり細かい形状も高精度で製作できますので、難しい課題のご相談などもぜひお寄せください。
投稿者プロフィール
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千住抜型製作所のWeb担・中の人です。
他にも抜型の設計、トムソン型製造、3DCAD/CAMオペレーター、営業などなど、様々な業務を兼任しています!どんな些細ことも、いつでもご相談ください!
[記事の著作権は執筆担当者名に帰属します]
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